1部
・ノクターン 第18番 ホ長調 Op.62-2 Nocturne Nr.18 E-dur Op.62-2[F.Chopin]
◆曲紹介・思い
夜想曲18番はショパンの晩年の作品で、彼にとって最後の夜想曲です。夜想曲とはJ.フィールドの作品に倣ったジャンルで、シンプルな伴奏の上に歌曲的なメロディが歌い、対比的な中間部を持っていることが特徴です。静かで素朴な音楽ですが、ショパンは遺作を含め21曲の夜想曲を作曲し、そのジャンルを深化させました。第18番においても、旋律や和音の響きが絶妙で、そこに込められた情感は「素朴」を遥かに通り越しています。形式も3部形式をベースとしつつ、物語性を感じるような変化が加えられています。まるでショパンが自身の人生を振り返るように聞こえて、とても好きな曲です。
・スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54 Scherzo Nr.4 E-dur Op.54 [F.Chopin]
◆曲紹介・思い
スケルツォとはイタリア語で「冗談」を意味する言葉です。多楽章形式の曲にメヌエットの代わりとして組み込まれるようになり、特にハイドンやベートーヴェンが頻繁に用いました。比較的速いテンポで、軽やかなパッセージや鋭いリズムが特徴的です。また主部とは性格の異なった中間部を持ち、基本的に3部形式で書かれます。
ショパンはスケルツォを独立したジャンルとして扱い、4曲を作曲しました。第1〜3番は曲調が深刻で、なにが「冗談」なのかわからないというのは有名な話ですが、第4番は幸い全体的に明るい雰囲気を保っています。中間部はガラッと雰囲気を変えて哀愁漂う旋律が流れ、大きな魅力のひとつになっています。形式的にもモチーフも比較的明解であり、その中で見られるさりげない転調や歌い回しの変化が非常に美しい曲です。
技巧的にも音楽的にもハードルの高い曲ですが、同時に大きなやり甲斐を感じています。ショパンはこのスケルツォというテーマで何を表現したのか、自分なりに感じて、みなさんにお伝えできたらと思います。